何度も読みたい一生もののおすすめ本『下村湖人著・論語物語』

子供の頃は、親や先生に叱られたりいろんなことを教えてもらう機会はたくさんあったのに、大人になるとそんなことはほとんどなくなります。

自律心を持っていることが大人の定義の一つだからでしょうか。

でも日々色々なことが起こる中、大人だって心が疲れて自分の軸がずれてしまい自律心が保てなくなる時ってありますよね。

そんな時にぜひおすすめなのが下村湖人の論語物語。

この本は昭和13年(1938年)に初出版された本で、著者の下村湖人は論語を生涯かけて学んだ人です。

下村湖人が論語を物語にしたもので、弟子のキャラクターや孔子との問答がリアルに描かれており論語の言わんとする内容が情景を伴って頭に入ってきます。

論語は二千年以上前のものと言われていますが、今でもなおその思想は人としてどうあるべきかを教えてくれます。

論語の本はたくさんあるけれど、あのシンプルな文章と訳だけではなかなか情景のイメージが広がりにくく、文章の意味以上の内容はなかなか理解しづらいですよね。

その点、本書では孔子や弟子を中心とした登場人物の個性や心の動き・場面が細かに描写されているので、情景のイメージがしやすくその分深い部分まで考えが及びやすい。

またこの本に登場する弟子の考えていることや悩んでいることは、普段多くの人が考えていたり悩んでいるであろう事にリンクする部分が多く、それを孔子が論語の教えでもって正してくれる。

いわば間接的に孔子が自分を叱咤激励してくれ、疲れて道を見失いそうになった自己の軌道修正ができる、そんな一冊です。

何度も読みたい本、私はこの本を手放しません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
目次